いくつかの研磨した石163
滋賀県高島市マキノ町海津大崎 マキノ鉱山の珪岩中のスカルンを一面研磨しました.8月に今庄方面に行ったときに帰りに寄りました.以前より立派な堰堤ができていました.現状をカメラに収めるために寄っただけでしたので,転石をこの1つだけ拾いました.ほか湖畔をうろついて石榴石を拾ったくらいしかしませんでした.堆積岩中に挟まる石灰質岩と花崗岩との接触交代鉱床で,磁鉄鉱を狙ったという鉱床でしたが,大量にある珪灰鉄鉱を磁鉄鉱と見誤ったのか探鉱数か月で休山したという話を聴いていました.珪灰鉄鉱や石榴石はよく売り立て会などで目にしていましたので,その手の石は探さずに,見た目黒っぽいガサガサした石を探していました.
海岸線でサンプリングした石と,堰堤で拾った石をどちらを研磨しようかと迷いましたが,比較的均質そうな上の石を一面研磨しました.
未研磨の面.
(研磨)母岩の白色部分は石英で,黄褐色部は石榴石なので硬いと思っていましたが,案外簡単に磨れてくれました.石榴石を噛んでいるのになぜか思って,検討したところ黄褐色部の大部分は石榴石ではなく,ヴェスブ石でした.研磨面の側面にヴェスブ石の頭が少しだけ出ていました.石榴石は研磨面には出ませんでしたが,未研磨の側面などに自形結晶が付いていました.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
黒色柱状の珪灰鉄鉱の拡大です.白色部は石英.
こちらも珪灰鉄鉱の拡大です.黄色部はヴェスブ石,帯緑黄色は石榴石.
塊状のヴェスブ石の拡大です.帯緑黄色の粒状を石榴石です.顕微鏡で拡大すると研磨面にも石榴石は含まれていました.
主に灰鉄輝石からなる部分の拡大です.
灰鉄輝石にヴェスブ石が混入している部分の拡大です.
劈開の観察できる灰鉄輝石の部分がありましたので,撮影しました.黒色柱状部は珪灰鉄鉱.白色は石英.
黄色のヴェスブ石を伴う部分の拡大です.灰鉄輝石のよこに光沢の異なる白色の鉱物が付いていて,紫外線を照射したところ灰重石でした.
以下は未研磨の面についている鉱物の顕微鏡写真です.
灰鉄石榴石.直径は2㎜程度です.
頭だけでているヴェスブ石です.帯赤褐色繊維状部は灰鉄輝石です.
おしらせ
本日 HP通販用商品を
3点 追加更新しました.