いくつかの研磨した石156
富山県宇奈月町深谷の十字石片岩を一面研磨しました.上の標本は岩石標本にしていたもので,裏面が多少風化していて雲母に覆われていたため簡単に磨れると思って手を出しました.
研磨面では無い面.
(研磨)前述の通り簡単に磨れてくれると思って安易な気持ちで手を出しました.磨っているうちにどんどん硬くなってきて,途中で機械を使用しようと何度も思いましたが,なんとか磨れてくれました.よく考えたら主成分がアルミニウム共通の鉱物の集合体で,石英も入っていて柔いのは雲母くらいでした.また手持ちの文献に拠ると珪線石や藍晶石なども含まれるそうでした.
仕上げははじめ青砥で磨った上,黄白色の砥石でしました.硬いだけあって強く光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
黄褐色の柱状部が十字石です.分解しかかっているのか,ほかの鉱物で交代されているのかは,顕微鏡観察では判りませんでしたが,色の濃淡だけ確認できました.
やはり石榴石が入っていました.赤色の粒が石榴石です.
石榴石は白い雲母の中に単体で入っているものや,十字石内に含まれているものなどがみられました.
時々入っている黒い粒状に見える部分は,どうも黒雲母らしい.
十字石に含まれる石榴石の部分の拡大です.
単体で入っている石榴石の拡大です.普段目にする鉄礬石榴石よりはるかに色が淡い.
十字石以外の雲母の中に点々と入っているものの拡大です.磁力テストをしたところ磁石がやや強く引き寄せられました.磁鉄鉱のようです.灰緑色部は緑泥石類.
おしらせ
本日 HP通販用商品を
2点 追加更新しました.