いくつかの研磨した石138
京都府京都市右京区京北細野下郷堂の谷 日吉鉱山のブラウン鉱からなる鉱石を一面研磨してみました.
当地は丹波Ⅱ型の地層群に胚胎する層状マンガン鉱床で,Ⅰ型とは異なるマンガンの鉱物の産出が知られています.上の標本は14年ほど前の台風の直後にサンプリングしました.上流より土砂が流れていてマンガンの鉱石もいくつかは拾えました.サンプルは大きなものは現場に残してきて,60㎜×45㎜×20㎜の箱に入るサイズのものだけを残しました.
裏面が酸化被膜に覆われていて,一見してブラウン鉱と思われる部分まで一部が二酸化マンガンの鉱物に変質しているのが過酸化水素の反応で判ったため裏面を一面研磨してみました.
研磨面では無い,標本の正面からの写真です.
(研磨)ブラウン鉱主体で赤褐色の泥質岩を挟んでいるため,柔らかいと思って一気に磨り上げました.仕上げは#2000のペーパーで段差を無くしたあとで,以前に福知山市牧川の出合付近で拾った,舞鶴帯の泥質岩でしました.中途半端に風化しているため,いい感じに磨れてくれました.
(以下,顕微鏡写真です)
褐色の脈が切っている部分です.茶褐色の部分は泥質岩.黒色は二酸化マンガンに変わりつつあるブラウン鉱.
ブラウン鉱.黒色金属光沢の細かい粒状をしています.
真ん中の白色部は方解石.傍に黄褐色の脈が入っています.黒色部はブラウン鉱.
二酸化マンガンに変わりつつあるブラウン鉱の拡大です.
同じく二酸化マンガンにかわりつつあるブラウン鉱の部分です.赤褐色のチャートを伴っている部分です.
標本の中央部を斜めに切る黄褐色の脈の拡大写真です.
続きの部分です.
中央の部分の拡大写真です.研磨面では無い面の破面は白色の方解石を伴っていて,磨ってこんな鉱物が入っているとは思っていませんでした.肉眼ではおそらくガノフィル石か? それともほかの部分にカリオピライトを伴っていたためベメント石のような鉱物かもしれません.
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