今にも雨が落ちてきそうな微妙な
日に穴探しに行ってきました.
今回は東播磨の北部域で幾つかの穴を
探してきました.
広い圃場の裏手にこのズリがありました.写真では分かり
難いですが,かなりの急勾配でとても登れるような感じが
しませんでした.
比較的規模が大きいようなので,必ずどこかに巻道がある
と思い,駐車地点からわずかに北に進んだところから入って
みました.
入り口はヤブになっていましたが,すぐ植林で鉱山施設が
あったようなマウンドがあり,消し炭の欠片や茶わん・瓦の
残骸などがみられ,踏跡はそこで途切れていました.
引き返すのも面倒なので,ズリのある方向に適当に斜面
をトラバース気味に攀じって行くと,やや平坦な径が出てきて
周囲が明るくなりズリに出ました.
そばに入り口がやや崩れた坑口1つがあり,内部までは見え
ません.径はさらに奥(南方)に続いていて,小渓を跨いで先は
ヤブで見に行く気が無くなるくらいでした.
もっとたくさんあるだろうと思うのですが,この現場で見たのは
この穴だけでした.
ズリの横の坑口.
ズリの廃石は安山岩質の凝灰岩のようで,熱水変質を受けて
緑泥石ないし粘土になっていた.鉱石らしい石はほとんど見当
らず,脈状の閃亜鉛鉱,黄銅鉱,方鉛鉱を少し見たほかは
二次鉱物でした.このズリでは採集意欲の湧く石が少なく
二次鉱物は肉眼鑑定で褐鉄鉱・孔雀石・水亜鉛土・菱亜鉛鉱?
・白鉛鉱・青鉛鉱・ブロシャン銅鉱・異極鉱などでした.
次に,すぐ近くで以前から知っていた現場に行ってみました.
入り口付近の分岐から先ほど探したズリが見えていた.落ち葉
を敷き詰めたような,あまり車の入っていない林道に入ってすぐ
の植林内に件の坑口があった.もともと全然鉱物の見られない穴
で,石英の空隙に半自形結晶が重なったような黄鉄鉱を,
一つ見つけただけの旧坑でした.
大切坑か?
坑口の上に,以前来た時には気づかなかったマウンドが,
坑口の南少し上にありそうなので,急な斜面を登ると脈を
そのまま押したような坑口がありました.
上の坑口.
近づいてみると,土嚢が詰めてあり遺跡調査等で埋められた
ようでした.
金属焼けの壁の奥に穴が.
さらに近づいて,フラッシュを焚いて撮影してみました.入り口が狭く奥まで光が届きませんで
した.
この坑口付近でも何か残っていないか探しましたが,
何も見つけられませんでした.
今日はこの2か所で引き上げました.ずっと曇天で
視界が悪く,時折時雨てきたためで,ルーペ観察には
向かず退散しました.
サンプリングした初めの方のズリのものを掃除しま
した.鉱物は異極鉱のようで,ほかに少量の青鉛鉱・白鉛鉱
ブロシャン銅鉱などがついていました.
空隙内の大部分は異極鉱.
異極鉱の端の方に妙に白い部分があり,試しに短波紫外線を
照射してみました.
水亜鉛土でした.
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