2の続きです.
鉱山を辞して,南下した.次は
アンチモン山だ.
行きしなに下りた中国道のICを越えて,旧道に
入った.谷合いの在所の奥へ進み,在所のお年寄りに
聞き込みをして,奥に鉱山があることが確かめられた.
見当を付けていたところに駐車し,初めての訪問の
ため先行でヤブに分け入った.
この場所は今回の巡検の前に,筆者が1:75000地質
図幅で鉱山の場所を地形図にプロットした上で,
グーグルアース及びストリートビューで,
大した木の生えていない場所を探しておいた.
地形図のプロットした谷の下流に,
大した木の生えていない部分があり,
そこにたぶんあるだろうと推定した.
先行したときに水の無い谷で2つほど輝安鉱を見つ
けて駐車地点に戻った.どうやら当たりのようだった.
ズリなどは無く,谷の転石から探す程度だった.
入口付近に,何か建屋の跡を思わせる土盛りや
棕櫚の木が不自然に生えていた.
↑何かの建屋があったのか,土台のような土盛り.
輝安鉱は大水で流出したのかあまり見られない.やはり
石英脈の中から見つかった.
空隙に辰砂のような鉱物も見られた.かなり小さい.
サンプリングは拳サイズのものが少し得られたくらいで,
切り上げ,奥の坑口を確認しに行った.
倒木が多く杣道程度の道がつけられていたが,過去の
大水の所為か路肩が大きく抉られている.みんなが採集し
ている地点から,わずかに遡ったところに坑口が2箇所ほど
見られた.
↑坑口.倒木と崩土によって写真ではよくわからない状態になっている.斜面の表面に細かい石英の破片などが見られた.
11月なので日が傾くのも早い.何分田舎なので
道沿いの店舗も閉まってしまうかもしれないとかで
切り上げる.
広瀬の町で奇跡的にスーパーが開いていた.
今夕の食事を入手して宿に向かった.
●巡検から帰って採集した石を見てみました.
輝安鉱.母岩のサイズ:54mm×50mm×32mm.大きさは小さいが輝安鉱の密度があるようで持ってみると重みが感じられる.
以下は顕微鏡下での撮影です.
↑輝安鉱の結晶.僅かに空隙があり,細かい結晶が入っていました.
↑黄安華か.空隙の部分の拡大です.輝安鉱の表面をコーティングしているのか,内部まで変質しているのかは肉眼では分かりませんでした.
↑方安鉱か.この写真はかなり小さいものです.一部に立方体の輪郭が見えましたので撮ってみました.
↑辰砂か? 輝安鉱の入っている母岩が少し変質したような部分に,やや光沢の強い粒状の真紅の鉱物が入っていました.写真の石は石英脈の裂罅を方解石が充填し,また細かい黄鉄鉱が付近についていたために産状から辰砂?としました.かなり小さいものです.
●成形時に出た破片を一面研磨してみました.(以下,顕微鏡写真)
帯青銀白色金属光沢の部分は輝安鉱.淡真鍮色金属光沢部は黄鉄鉱.白色部は方解石.灰色・灰白色・暗灰色部は石英.
秋の山口へ 4 に続く.
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