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Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
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京都ショーで入手した鉱物 2

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 前回の続きです.

 

Gibbsite  ギブス石 γ―Al(OH)3  単斜晶系 香川県坂出市江尻町金山 金山鉱床.(N社で購入).サヌキトイド質安山岩がラテライト化作用を受けてボーキサイト質鉱床を生じたもの(日本地方鉱床誌 四国地方より)だそうで,本邦でも珍しい鉱床だったため,前から探していた.何の特徴もない黄土色をした塊状で見栄えがしないのと,きわめて小規模な鉱床の上,昭和18年に発見されたのち,19年に住友金属鉱山(株)によって既知鉱床はほとんどほりつくされた(文献,前出)ため標本が無いのだと思う.ラベルには「褐鉄鉱・ギブス石に交代されたサヌキトイド礫岩片」とある.見栄えがパッとしないので,表面の粘土を一つ洗い流してみると,変質した岩石中に,白色無光沢の不定形塊状のものが入っていた.おそらくこの白色部がギブス石で,褐色部が褐鉄鉱なのだろう.白色のギブス石は以前に八女市室岡の粘土鉱床で,帯赤褐色の粘土中に同様の不定形塊状のものを観察していた.鉱石鉱物の僅少な香川県の貴重な標本が手に入った.

 

 

Kieslagar  含銅硫化鉄鉱 黄鉄鉱を主とし少量の黄銅鉱を伴う硫化鉄鉱.大阪府某所 産.(N社にて購入).永らく北摂の旧坑の探索に赴いていましたが,この手の鉱石は初見で購入した.当初は上の写真の倍の大きさがあり,いつも使っている75mm×60mm×20mmの紙製黒箱には大きすぎた.一発勝負で整形したところ,うまく2つに割れてくれました.上の標本は上述の大きさぴったりでした.この標本の産地付近は超丹波帯の頁岩及び緑色岩が分布しており,こういう鉱石が出るような地質に無いように思っているのですが,何分標本が無いと話になりませんので,紹介してみました.ちなみに片割れの標本はすでに行先が決まっています.

 それから,二分したときに出た木端を一面研磨してみました.初見の産地ですので文献にも上がっていないと思い磨ってみました.

 

 

研磨した石の一部を実体双眼顕微鏡で撮影しました.ほぼ黄鉄鉱からなり銅分は少なそうです.灰白色部は石英,黒色部は閃亜鉛鉱と思って研磨していましたが,石英粒に何かほかの鉱物が鉱染して黒くみえているようです.研磨面には現れませんでしたが,ほかに細かい閃亜鉛鉱,緑泥石が見られました.

 当初は表面が黒ずんですでに分解しかかっているように見えたのですが,汚れているだけで硫酸鉄などの水溶性の腐りものはありませんでした.見間違えたものに白色―灰青色の粘土があり,割ったときに間隙にうっすら脈のように入っていたので,断層関係の粘土かもしれません.

 

3に続く.

 

 

おしらせ

 

本日,HP通販用商品を 1点更新しました.通販HPは下から.

 

 京都亀岡で天然鉱石の販売ならミネラルショップたんくら

 

 あなたの心の鎧を華麗に変身させちゃいます ~マヤ暦使い&算命学使いの魔女っこ智加~


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