ここまで何とか
続けることができました.
ようやく30回です.
兵庫県養父市山中鉱山のパイロクスマンガン石です.大きさは75mm×60mm×20mmの紙製黒箱にきっちり入るサイズです.今から9年ほど前に台風で大水が出たときに,鉱山から川にそそぐ沢でサンプリングしました.近畿地方のマンガン鉱床は主に丹波―美濃帯のマンガン鉱床からマンガン鉱物が出ることが多く,紀伊半島の秩父帯からも出ますが,北部近畿地方に集中しています.
堆積岩中に胚胎するマンガン鉱床が多くあるなか,山中鉱山は熱水鉱脈鉱床でほかの鉱床とは産状が違う.多金属を伴う鉱脈鉱床で,マンガン鉱物は主に脈石として産しました.矢田川層群の流紋岩及び流紋岩質凝灰岩中の鉱脈鉱床.
金属を多く伴っている標本を今までよく見ていて,写真のようなほとんど含まれていないものはあまりありませんでした.多いのが方鉛鉱・閃亜鉛鉱・黄銅鉱・黄鉄鉱などの雑鉱で,一部に銀鉱物があるような話を聞いたことがありましたが現物は見たことない.
マンガン鉱物は脈石で産し,閃マンガン鉱・二酸化マンガン鉱・菱マンガン鉱・マンガン方解石・テフロ橄欖石・ばら輝石・パイロクスマンガン石などが見られる.ほかの脈石に石英・方解石・緑泥石・粘土鉱物など.
いつもどおりはじめは機械で平坦にしてから,手磨きにしました.菱マンガン鉱―方解石を伴っているらしく,見た目よりも軟らかかった.黒い部分は二酸化マンガンが染みたもの.菱マンガン鉱―方解石は中央よりやや右手の白桃色の部分.硫化はほとんど入っていないと前述にありましたが,磨っているうちに中の方からでてきました.黄鉄鉱と閃亜鉛鉱でした.細かい硫化物を含んでいるところが,紫色を帯びている.他産地でもいくつか見たことがあり,ともによく焼けた鉱床だった.右上の黄白色部は菱マンガン鉱.下の拡大写真は菱マンガン鉱との境界付近を顕微鏡で撮影しました.仕上げは青砥でしばらく磨ったあと,#4000で処理しました.
(産出鉱物)
閃マンガン鉱・黄銅鉱・磁硫鉄鉱・硫砒鉄鉱・閃亜鉛鉱・黄鉄鉱・ホタル石・石英・二酸化マンガン鉱・赤鉄鉱・褐鉄鉱・菱マンガン鉱・方解石・孔雀石・水亜鉛銅鉱・水亜鉛土・石膏・ブロシャン銅鉱・満礬石榴石・テフロ橄欖石・アレガニー石・ウィザム石・ばら輝石・パイロクスマンガン石・カリオピライト・緑泥石・ネオトス石・粘土鉱物・カオリナイト・方沸石・濁沸石など.
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