顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真199
―アメス石―
産地:Cerro Sapo mine, Cerro Sapo mountain, Ayopaya province, Cochabamba, Bolivia.(非売品).
Amesite アメス石(エイムス石)
[組成] Mg2+2Al3+[(OH)4|AlSiO5]
[結晶・形態] 三斜晶系.2H2(六方型),6R1,6R2(三方型)のポリタイプが知
られている.自形結晶は三角柱・角柱状・三角錐台.双晶で
六角柱状・断面が六芒星の角柱状・先細りの六角柱状な
どになる.皮膜状・塊状集合などになる.結晶およびその
集合は脆い.
[色] 無色・白色・灰白色・灰色・淡黄色・帯青緑色・ピンク色・
赤紫色・青紫色(含クロム種).
[光沢] 亜金属光沢~油脂光沢・樹脂光沢など.透明―半透明.
[モース硬度] 2.5~3
[比重] 2.77~2.78
[劈開] {001}1方向に完全.
[条痕] 白色.
[名称] アメリカの起業家・発明家・鉱物コレクターの
James Tyler Ames(1810-1883)に因む.
[原産地] Chester Emery mines, Chester, Hampden county,
Massashusetts, USA.
Cerro Sapo mineの方ソーダ石の手持ちの標本が非常に変な形状をしていたため,成形しました.その木っ端に見た目エジリン輝石のような灰緑色の鉱物が少し付いていました.周囲はなにか炭酸塩のようで,木っ端を塩酸で炊いてみました.
白色―淡黄色半透明で劈開の確認できる場所は溶け去って,内部より灰緑色の塊状と思われていた部分や,その内部に含まれていた方沸石や六角柱状の霞石が出てきました.
塩酸で炊いた跡の方ソーダ石を含む破片.青色部が方ソーダ石.
灰緑色で見た目エジリン輝石だろうと思っていたところは,ルーペで確認したところ,六角柱状で非常に光沢が強い鉱物が付いていました.手持ちのリストで外観に合致するような鉱物を探したところ,蛇紋石系の鉱物でアメサイトかな~と
行きつきました.
ネットの画像検索で調べるとアメス石でした.
周囲に付いている白色球状に見える鉱物は方沸石で,エジリン輝石は顕微鏡下ではついていませんでした.
画像検索をかけていると,一般的に販売されているのはロシア産のキレイなライラック色のもので,含クロム種だそうです.うえの画像は無色~白色で,一部に灰緑色の部位があったりします.
本邦でも塊状のものが見つかっていますが,所有していませんので画像は入手後になると思います.