マンガン鉱物
ペナント石(Pennantite)
滋賀県高島市朽木木地山 高島第二鉱山(柳谷鉱山)
Locality:Takashima No.2 mine, Kutsuki, Takashima city, Shiga prefecture, Kinki region, Japan.
(非売品)
Pennantite ペナント石
Mn2+2Al[(OH)2|AlSi3O10]・(Mn,Al)3(OH)6 単斜晶系
マンガンを主成分とする珪酸塩鉱物で,以前に萱原鉱山のペナント石を紹介しました.今回は高島第二鉱山(柳谷鉱山)のペナント石です.標本は数年前の新春交流会で入手しました.
国道367号三ツ石交差点から派生する麻生川の中流にあった,堆積岩中に胚胎する層状マンガン鉱床で,色の淡い菱マンガン鉱やヤコブス鉱があった小規模な現場でした.
標本自体は菱マンガン鉱―アレガニー石からなる比較的高品位マンガン鉱を切る黒色のヤコブス鉱の筋の入ったもので,ペナント石はヤコブス鉱の黒色の筋の周辺にXRDオーダーで混入しているという代物でした.
まず肉眼では判らないそうで,ヤコブス鉱の脈の周囲に矢印で指示がしてありました.黒色のヤコブス鉱の周囲の暗い赤紫色部はリッベ石が入っていそうで,その周囲の淡い赤紫色はアレガニー石.灰緑色亜ガラス光沢部は重晶石.淡褐色ガラス光沢部はカリオピライトでした.