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鉱物の顕微鏡写真195 ―キドウェル石―

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顕微鏡写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉱物の顕微鏡写真195

―キドウェル石―

 

産地:Coon Creek mine, Polk county, Arkansas, USA.(非売品)

 


 

Kidwellite  キドウェル石

[組成]          Na(Fe3+,Cu)9+X[(OH)11|(PO4)6]・4H2O (X=0.33)

[結晶・形態]      単斜晶系.自形結晶は微細な板状・長板状・角柱状・針状

              など.結晶は脆い.粉状・束状・放射状・皮膜状・球状・鍾

                           乳状集合などになる.

[色]           白色・灰白色・乳白色・灰色・暗灰色・淡黄色・黄白色・黄

              色・灰黄色・黄褐色・緑黄色・黄緑色・淡緑色・緑白色・緑

                           色・灰緑色・暗灰緑色・青緑色・暗青緑色・褐色など.

[光沢]          結晶がはっきりしているものほどガラス光沢~亜ガラス光

              沢.油脂光沢.絹糸光沢など.透明・半透明.

[モース硬度]     3

[比重]           3.04~3.3

[劈開]          {100}1方向に完全.

[条痕]          黄色.

[名称]          アメリカの地質学者で鉱物コレクターの

              Albelt Lewis Kidwell(1919-2008)

              に因む.

[原産地]         Fodderstack mountain, Norman, Montgomery, Arkansas,

                           USA.

 


 

 

 ひとつきぶりの顕微鏡写真シリーズです.今回はキドウェル石にしました.

 

 ナトリウム(Na)と鉄(Fe)の多含イオンの含水燐酸塩鉱物です.おもに熱水鉱床や堆積岩(チャートなど)の酸化帯や堆積性褐鉄鉱鉱床などに産します.

 本邦では花崗岩中の燐酸塩ペグマタイト中の二次鉱物としての産出が,知られています.

 

 上の標本は筆者が学習用に購入した標本です.産地はおもに堆積性褐鉄鉱鉱床で一部にマンガンも出たらしいことが知られているようです.

 母岩は珪岩中に層状の褐鉄鉱があり,これの中央部分に赤褐色亜ガラス光沢のベラウン石や黒色のロックブリッジ石が放射状あるいは球状集合をなしています.それらの間に灰黄色~灰緑色絹糸光沢を呈するぶどう状集合をなしています.

褐鉄鉱鉱層の盤際.赤褐色部がベラウン石.黄緑色~灰緑色部がキドウェル石.黒色不定形塊状ないし繊維状部がロックブリッジ石.右のほうの黄色粉状の部分はカコクセン石.左端の褐黒色~黒色部は褐鉄鉱.ほかにデュフレン石がついているらしいのですが,ルーペでの観察では判別がつきませんでした.

 

 

 学習用に購入した標本ですが,この小さな標本だけでキドウェル石・ロックブリッジ石・ベラウン石・カコクセン石・ストレング石(画像には映り込んでおらず別の部分に微細な赤紫色の粒として存在)・褐鉄鉱と色々な鉱物の組み合わせが観察できました.

 

 


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