顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真190
―銀鉄明礬石―
産地:Santa Ana mine, Santa Ana, Onavas municipality, Sonora, Mexico.
(非売品).
Argentojarosite 銀鉄明礬石
[組成] Ag1+Fe3+3[(OH)3|SO4]2
[結晶・形態] 三方晶系.自形結晶は底面を持つ菱面体・六
角板状・粒状・爪状など.鱗状・皮膜状・塊状
集合などになる.結晶は脆い.
[色] 淡黄色・黄色・黄橙色・黄褐色・暗黄色など.
[光沢] ガラス光沢.塊状や皮膜状は絹糸光沢.透明
~半透明.
[モース硬度] 3.5~4.5
[比重] 3.66~3.81
[劈開] {0001}1方向に明瞭.
[条痕] 淡黄色・白色.
[名称] ラテン語の銀(Argentum)と鉄明礬石の
Jarositeより.
[原産地] Tintic Standard No.2 Shaft, Tintic Standard
mine, Dividend, East Tintic mining district,
Utah county, Utah, USA.
ひとつき振りの顕微鏡写真シリーズです.今回は銀鉄明礬石にしました.
本邦にも産出の記録がありましたが,現物を見たことが無く,今回京都ショーで海外産を見つけたため,サンプル購入しました.母岩は灰色―暗灰色を呈するやや粗い石英脈で酸化帯より産したもののようです.
表面をルーペで観察すると,粒は粗いらしく光に反射してキラキラしていました.顕微鏡で拡大して結晶を撮影しようと試みましたが,結晶面の一部が若干ぼやけて写るくらいしか拡大できませんでした.
銀鉄明礬石とほかの鉛鉄明礬石や鉄明礬石とは,肉眼ではほぼ判別できません.結晶質の鉄明礬石より若干光沢が強い感じがするくらいでした.
黄色―黄褐色の銀鉄明礬石の微晶の集合に伴って,濃い赤色系統の鉱物がふんだんについていました.洋紅石(Carminite)だそうで,自形結晶をしている部分もありました.