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Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
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磁硫鉄鉱 京都府舞鶴市別所舞鶴鉱山暮谷鉱床

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京都府の鉱物

 

 

 

 

 

 

磁硫鉄鉱

京都府舞鶴市別所暮谷 舞鶴鉱山暮谷鉱床

 

 京都府の丹波と丹後の境界にそびえる弥仙山の北付近にある含銅硫化鉄鉱床で,現地でサンプリングした古い鉱石が出てきました.鉱山は別所と白滝と寺田に跨っていて,寺田・暮谷・高由里の3つの鉱床があったという.上の標本はそのうち,暮谷鉱床から出たもので,当初は黄銅色の黄銅鉱が表面に出ている大きなサイズの石でしたが,錆びて真っ黒になったため,成型しなおしました.

 ラベルも錆びたときにできた粉末なのか黒い粉が一面についてきたなかったため同時に書き換えました.本来あったはずの黄銅鉱が成形面にほとんど見られず,黄鉄鉱を思っていた部分も徐々に錆びて紅色味を帯びてきたので,おかしいと思って磁石で磁力の有無を調べると,ほとんどの部分が磁硫鉄鉱でした.暗い部分は整形カスの一部を研磨したところ,顕微鏡下で正方形の輪郭が見える金属鉱物が入っていて,磁鉄鉱と判断しました.

 当初ラベルに記載していた黄銅鉱は端の方に薄く入っていて,黄銅鉱の多い部分の端だったようです.上の画像の明るい部分にもルーペサイズの微粒として黄銅鉱が入っていました.また錆びて真っ黒になる前に撮影しました.

 

 産地の鉱山ですが,室町時代には稼業されていたような記述があって,その後は近くの池内銀山が延享元年ごろに開発されたという.近代開発は明治42年ごろで,下から一番坑・二番坑・通気坑の3つの坑道を開鑿し,坑内に竪坑を設けて採鉱されていたという.大正5年~10年くらいが最盛期だったという.

 産出鉱物は暮谷坑のものしか見ていませんが,黄銅鉱・黄鉄鉱・磁硫鉄鉱・白鉄鉱・石英・磁鉄鉱・褐鉄鉱・方解石・石膏・単斜灰簾石・普通角閃石などでした.

 

 


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