露頭巡り
大阪北摂の鉱山3
引き続いて鉱山リストです.豊能郡域が広く鉱山が多いので3回に分かれてしまいました.今回は豊能郡を除く大阪北摂全域です.昭和30年代に越県編入した旧京都府南桑田郡樫田村域を含んでいます.
谷山谷旧坑 大阪府箕面市(マンガン鉱.知人より所在を教示された.白島の谷山谷を詰めたところの尾根の鼻に上下2つの坑口があった.谷の対岸にも突いたような跡が残っていた.鉱石は少ない.方鉛鉱・黄銅鉱・磁硫鉄鉱・石英・褐鉄鉱・
方解石・菱マンガン鉱・満礬石榴石・ばら輝石・緑泥石などがみられた)
外院旧坑 大阪府箕面市(亜鉛鉱?,文献に閃亜鉛鉱の産出の記述があった)
北の坂旧坑 大阪府箕面市(銀鉛鉱.明治11年ごろにやっていたようだ)
平尾旧坑 大阪府箕面市(亜鉛鉱?.カバヤ谷旧坑ともいう.銅や亜鉛の二次鉱物で有名になった.上下2つの旧坑がある.沿革がはっきりしない)
如意谷旧坑 大阪府箕面市(銅鉱?)
大平鉱山 大阪府箕面市(銅鉱?)
豊川鉱山 大阪府箕面市(マンガン鉱)
川浦鉱山 大阪府箕面市(銅鉱.明治初期の文献にその名が見えるため,旧幕時代より知られていた模様.明治9年頃より再開発されたらしい.大正の中頃まで稼業していたもよう.坑口は梅谷の上流に落差3mくらいの滝があって,その横に開坑している.それより上流にも坑口があったと思われる凹地がちょこちょこみられた.背後の鉢伏山の尾根にも坑道が陥没して擂鉢状になった地形がちらほらうかがえた.相当古くからの稼業らしい)
小槌鉱山 大阪府箕面市(銅鉱.明治の初め頃の稼業という)
柿の木鉱山 大阪府箕面市(銀銅鉱.兵庫県猪名川町にも同名の鉱山がある.柿の木間歩ともいう.国道423号沿いにあったそうだ)
登行旧坑 大阪府箕面市(銀銅鉱.青貝山方面にあったという)
赤見谷旧坑 大阪府箕面市(銀銅鉱.青貝山方面にあったという.)
塩山鉱山 大阪府箕面市(塩山城近くにあったという.古老の証言)
勝尾寺鉱山 大阪府箕面市(鉛亜鉛鉱.昭和16年頃よりの稼業とか.昭和30年ごろまで探鉱されていたとか.坑口は1か所だけ確認した.ほかに十兵衛の滝の上流にも坑口があるという.初期の坑口は勝尾寺川の中流付近にあったらしいが,湧水で休山したという.)
池田鉱山 大阪府池田市(銀銅鉱.木部の神社あたりにあったのがそうなのか,五月山の登る道の近くにも1つ坑口があったが,それにあたるのかはっきりしない.輝銀鉱があるという.ほかに知人より灰重石の標本を頂戴した)
大萱原鉱山 大阪府池田市(銀銅鉱.大菅原鉱山・大洲ヶ原鉱山ともいう.明治12年頃の文献にその名が見えた.相当古くからあるようだ.
秦野鉱山 大阪府池田市(銀銅鉱.東ハケツキ鉤谷というところになるそうだ.明治20年頃に出鉱記録があった.一部がスカルン化した熱水鉱床.
ほか,豊中市に亜炭の試掘鉱区があったという.
清渓炭鉱 大阪府茨木市(亜炭)
黒谷山旧坑 大阪府茨木市(マンガン鉱.クリーンセンターの東向の山が黒谷山.ほか詳細は不明.)
粟生岩坂の旧坑.大阪府茨木市(銅鉱?)
ヒノコバ旧坑 大阪府高槻市(マンガン鉱.京都府境の万寿峠の西方.明神ヶ岳の登山道沿いに2つ坑口が見られた.二酸化マンガン鉱を産した)
植山鉱山 大阪府高槻市(マンガン鉱.詳細不明)
高槻鉱山 大阪府高槻市(銅鉱.巌戸鉱山・岩戸坂鉱山・萩谷銅山・横峯鉱山ともいう.明治11年頃に萩谷銅山の名前で文献にその名が見えた.その後に巌戸鉱山になって,横峯鉱山,岩戸坂鉱山になったようだ.変電所の北側にあって,竪坑口は湧水で水没していた.白滝方面にももう一つ坑口があった.こちらは崩土でわかりづらくなっていた.大正6年に銅精鉱約300tと大正7年に銅精鉱約15tの記録があった.主要な鉱石鉱物は谷の転石で3つほどしか見ていないが,磁硫鉄鉱に閃亜鉛鉱を伴う黄銅鉱を含有する鉱石で,脈石に灰鉄輝石や緑閃石・緑泥石などを伴っていた.ほかにごく少量の灰重石も含まれているものが見られた)
平尾旧坑.
川浦鉱山.
勝尾寺鉱山.
ヒノコバ旧坑.廃木が積んであるところに坑口があった.
万寿峠側の旧坑.