顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真168
―バグダッド石―
蛍光灯下での顕微鏡撮影.
短波紫外線灯下での顕微鏡撮影.
産地:岡山県高梁市備中町布賀(非売品).
Baghdadite バグダッド石
[組成] Ca2+3(Zr4+,Ti)[O2|Si2O7]
[結晶] 単斜晶系.自形は柱状・板状など.簾状・放射状集合
などになる.結晶は脆い.
[色] 無色・白色・灰色・淡褐色・灰桃色など.
[光沢] やや脂ぎったガラス光沢.ガラス光沢.
[モース硬度] 6
[比重] 3.5
[劈開] 無し.
[条痕] 白色.
[蛍光] 短波紫外線でオレンジ色―黄色.
[名称] イラクの首都,バグダッド(Baghdad)より.
[原産地] Dupezeh mountain, Hero, Qaladiza, Pshdar district,
Sulaymaniyah Governorate, Iraq.
2日連続で蛍光鉱物シリーズを掲載しようと考えていました.顕微鏡を使用して拡大写真を撮ったところ,結晶質だったために顕微鏡写真シリーズの方にしました.
上の標本は1980年代に採集されたそうで,サンプルを提供されて,母岩を半分に割ったところ,いくつかあった破片に灰チタン石が付いていて,そちらの方の名前でラベルをつけていました.そのあとでバグダッド石が報告されて,灰チタン石のいくつかある破片から,上の石にバグダッド石が付いていて,ラベルを書き換えました.今回撮影するにあたって,表面を若干塩酸でエッチングしました.
上の写真が部位が含まれる集合を蛍光灯下で撮影した画像です.黒っぽく見える粒は灰チタン石で,黄色―黄褐色の粒状はベスブ石.バグダッド石はにわかにピンク色味を帯びた灰色の部分です.母岩は青色味がかった灰色の方解石です.
短波紫外線灯を照射して撮影しました.黄色に蛍光する部分がバグダッド石です.