顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真166
―亜鉛スピロフ石―
産地:Hilltop mine, Organ mining district, Organ mountains, Doña Ana county,
New Mexico, USA.(非売品)
Zincospiroffite 亜鉛スピロフ石
[組成] Zn2+Te4+3O8
[結晶] 単斜晶系.自形は板状・葉片状など.ロゼット状
や球状集合になる.結晶は脆い.
[色] 白色・灰色・黄白色・黄橙色・緑色・桃色など.
[光沢] 亜金剛光沢~ガラス光沢.
[モース硬度] 2.5
[比重] 5.57
[劈開] 無し.
[条痕] 緑っぽい白色.
[名称] 亜鉛の多いスピロフ石から
[原産地] Zhongshangou mine, Dongping Au-Te ore field,
Shuiquangou complex, Chougli district,
Zhiangjiakou, Hebei, China
(中国河北省張家口市崇礼県中山溝金鉱山).
珪線石の次は,亜鉛スピロフ石にしました.本来は同質異像鉱物として紅柱石を考えていたのですが,思った以上に手持ちの標本がありませんでした.所有標本数が全体で3000点を越えているので,なかなか探すのが大変で,掲載はもっとあとの方になりそうです.
原産地は北京の北西あたりに位置する金鉱山だそうで,中国での小珍しい鉱物はなかなか入手し辛い傾向があって,原産地の標本は入手できていません.
上の石はサンプル程度に購入した石ですが,結構な値が付いていたと記憶する.
標本の産地は1890年頃より採鉱が始まったという,頁岩と苦灰岩を切る石英モンゾニ岩中の熱水鉱床で,黒っぽい珪質岩の上に白色の水亜鉛土を伴うような標本でした.
そんな白色の土台の上に,黄色の鉱物が一面についていました.矢印が2箇所ふってあり,矢印の上に「good」と「very good」と手書きで書いてありました.
2枚目の写真が「good」表示の矢印の先の亜鉛スピロフ石です.顕微鏡写真を撮るために,矢印は予め除去しています.
はじめの写真が「very good」表示の矢印の先です.顕微鏡を通しての肉眼的に見たところは,葉片状か板状で,それらが合わさった集合になっていました.
カメラを通すとどうも上手く写りませんでした.2枚目の写真は黒色のテルル鉛鉱を伴っています.母岩中の優白色珪質部に黒色―淡い黄鉄鉱のような色の金属光沢の粒が入っていて,劈開の感じからテルル鉛鉱のようでした.
テルルの二次鉱物のついている面の全体を写すとこんな感じの集合でした.