やまのぼり
尾保羅
京都府相楽郡和束町湯船
前回の続きです.
御林山を辞して,鷲峰山方面へ.途中のT鉱山で坑道の陥没跡などを確認しました.二酸化マンガンをやっていたらしく,細かいボソボソの二酸化マンガンが転がっていました.
尾根上の林道に上がって,電波塔のあるピークの東側の露頭を確認しに行きましたが,所在不明でした.電波塔のピークの東側の露頭はチャートを切る石英脈で,無色透明で微細な柱状をなす緑柱石があったのですが,それも一度きりで,2~3サンプルを残していたのですが,1つが知人のところへ行き,あとは紛失してしまって手元にありません.
電波塔のピークの東はしばらく堆積岩が続いて,殻池峠付近が花崗岩の接触帯になっていて,そちらに下る予定にしていました.
殻池峠の西に一つ三角点峰があって,それをピストンすることにしました.
電波塔の横から入りました.林道からの取付口がほとんどなく,林道側は切通になっていて,電波塔側もカットされた面になっていました.電波塔の脇を抜けて先の杉林に入ると杣道が出て,尾根を回りこんで東に派生する尾根まで出て,詰めようと考えました.
わずかに残る杣道.ここを回り込むと東に派生する尾根にでました.
東尾根.境界杭が目印.
尾保羅のコブを見上げたところ.傾斜は結構ありそう.
傾斜はありましたが,下草が無いので比較的楽でした.山頂台地に上ると,台地の東の端が高く,そこに三角点がありました.
点名.尾保羅.(標高520.3m).植林の中の静かな山頂でした.新しく埋設されたようで,きれいな三角点でした.東の殻池峠から見ると坊主頭のような山容で,山名がありそうでしたが,そういうのは無いようで,点名になっている名称もはっきりしませんでした.小字か山域名にカタカナに漢字を宛てたのかだと思う.
この付近に明治の中頃に「中切銀銅山」というのがあって,花崗岩との接触部に近い,この付近の山を調べに入ったことがありました.明治27年の出鉱成績もありましたので,それなりの鉱山だろうと思っていましたが,土地の茶畑を管理されている方や,在所のお年寄りに伺っても「聞いたことが無い」との返答ばかりでした.古い鉱山関係の地名はほかでは見られない変な地名がゴロゴロあって,点名が地名だとしたら,これも関係があるかと思って,寄ってみました.
三角点の東は大きくガレていて谷の源頭につながっているようです.こういう地形はこの付近にはあまりないようで,関連がありそう.
数分で下山して帰途に就きました.
以下は「尾保羅」周辺の図です.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.