顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真160
―セリウムサハマ石―
産地:Mountain Pass mine, 2.1km East of Mohawk Hill mountain(1783m),
Mountain Pass, Mountain Pass district, Clark mountain range,
San Bernardino county, California, USA.(非売品).
Sahamalite-(Ce) セリウムサハマ石
[組成] (Mg,Fe)(Ce,La,Nd)2[CO3]4
[結晶] 単斜晶系.文献によって柱状とあったりしたが,
肉眼的には粉状や不定形塊状に見えた.
[色] 白色・淡黄色・淡褐色など.
[光沢] 亜ガラス光沢~絹糸光沢?
[モース硬度] (未測定なのか,記載なし)
[比重] 4.30
[劈開] {010}に乏しい.
[条痕] 白色.
[名称] フィンランドのヘルシンキ大学の鉱物学・地質学
者の Thure Georg Sahama(1910-1983)に敬意を
表して命名.
[原産地] Mountain Pass mine, Mountain Pass,
Moutain Pass district., Clark mountain range,
San Bernardino county, California, USA.
ヴェーラー石の次はセリウムサハマ石にしました.随分前によくわからずに購入した標本です.もともとラベルに「ベージュ色で弱い劈開のある部分」とだけ記入されていて,茶褐色の部分と思っていました.Webでいろいろ調べていたところ,そもそもベージュは茶褐色ではなく,淡い黄色だとかで,普段あまり使わない表現でしたので,そう思い込んでいました.茶褐色の部分は赤鉄鉱のようで,その周りの紅色―灰赤色部がバストネス石だとか.
顕微鏡で何とか拡大してましたが,よくて粒状の外形が観察できて,通常は粉状に見えました.
淡い黄色の部分がセリウムサハマ石です.茶褐色―赤褐色が赤鉄鉱でした.
目が慣れてきたら,チップのような母岩にちまちまついているセリウムサハマ石がついていました.
別の部分の拡大写真です.淡い黄色ないし白色粉状~粒状に見える部分がセリウムサハマ石です.中央の白色部は劈開の感じから苦灰石などの炭酸塩鉱物で,赤褐色―茶褐色粉末状部は赤鉄鉱です.
この鉱床はWeb上の資料によると,1949年に発見されて1951年より本格的に採鉱が始まったとかで,ベンチカットの露天掘りで採鉱されているようです.採掘されている鉱種は重晶石セリウムREE銀鉛だそうで,カーボナタイト複合岩体に胚胎するそうです.