露頭めぐり
シルト質凝灰岩と
リソイダイト質岩の露頭
京都府与謝郡伊根町
前回の続きです.
メノウの露頭を辞して,丹後町上山から碇峠方面に行きました.峠を越えて伊根町側に下りました.峠からいくつかカーブがありましたが,最後の谷を横切るカーブのところに,災害復旧工事の跡があって,そこにいくつか転石がありましたので観察してきました.
工事の後なので,他所から持ち込まれたと思われる岩石が多少見られるものの,角の無い現場で産したような岩石が見られました.緻密な安山岩があって,これが一番多く,多孔の流紋岩質で沸石に置き換わったうえ,風化でボロボロになった岩石がありました.暗褐色の安山岩の割れ目に沸石が多少ありました.
さらに下って行き,寺領の分岐を左折し川下の方へ下って行きました.野村から本庄浜に抜ける町道に露頭が出ているという情報をチェックしていましたので,そこへ行きました.
町道が通る尾根の鼻にあった露頭.高さは15mくらいで,町道に沿って40mくらい延長がありました.
上部の層.近寄ると風の具合か,俄かに硫黄ににおいがしたような気がした.レンズ状の黄鉄鉱が含まれてそれが分解したのか,黄色の硫酸塩を吹いていました.
凝灰岩の組織を残した部分.
白色の粘土に変わった露頭で,変質して粘土になっている凝灰岩質岩が殆どで,露頭に向かって左下に白色の脈があって,気になっていました.
白色の脈の露頭.手前に右から崩れているのは上の方にある層が崩落してきている残骸.
白色の層の拡大.下に落ちていた乾いた転石を舐めてみたところ,舌が吸い付きました.沸石岩かもしれません.この地域にモルデン沸石で構成される沸石岩がどこかに出ているという情報は掴んでいました.この層の下の方や,はじめの写真の壁の右の方にリソイダイト質の岩石が少しだけ見られました.白色~黄白色で,表面がざらざらして一部の空隙や組織の残骸に雲母が肉眼で見られるものがありました.沸石岩?は分析していないので何とも言えません.
こちらははじめの壁の続きにある別の露頭です.
この後,別の現場に向かいました.